はじめに ― よくある疑問から整理します
最近では、店舗を構えずに出張買取を行ったり、イベントや催事に期間限定で出店したりする形態も増えています。
フリーマーケットや地域の催し、商業施設の催事スペースなど、さまざまな場面で「買取」を目にする機会も多くなりました。
そうした中で、「たまに出張で買い取るだけなら、古物商許可はいらないですよね?」「イベントの期間中だけだから、営業とは違いますよね?」といった疑問を持たれる方も少なくありません。
前回コラムでは、ネット販売と古物商許可の考え方を整理しました。今回は、出張買取や催事販売について、実務上の考え方を整理してみたいと思います。

出張買取・催事でも古物商許可が問題になる理由
古物商許可というと、固定した店舗で中古品を扱う業者をイメージされる方が多いかもしれません。そのため、「店舗がない」「期間限定で行っている」という点から、許可は関係ないと考えられがちです。
しかし実務では、店舗の有無や営業場所が固定されているかどうかは、判断の決め手にはなりません。
出張買取や催事であっても、中古品を事業として買い取り、販売している場合には、古物営業として整理されることがあります。
重要なのは、「どこで行っているか」ではなく、どのような性質の取引を行っているかという点です。

「一時的」でも判断が分かれるという視点
出張買取や催事については、「年に数回しかやっていない」「イベントの期間中だけ」といった事情から、許可は関係しないと考えられがちです。
ただ、古物商許可の要否は、回数や期間の短さだけで判断されるものではありません。
実務上は、次のような点が総合的に見られます。
- 買取を前提として行われているか
- 反復して実施されているか
- 利益を目的とした取引か
たとえば、単発のイベントであっても、買取を行い、その品物を転売する前提であれば、取引の性質は事業寄りになります。
一方で、知人や家族の整理を手伝う形で一度だけ引き取る場合と、同じ「出張」という形でも、整理のされ方は異なります。
「一時的だから大丈夫」と単純に判断できない点が、出張買取や催事の分かりにくさでもあります。

出張買取・催事で「不要になりやすい」ケース
もっとも、出張買取や催事に関わるすべての行為が、古物商許可の対象になるわけではありません。
実務上、比較的「不要」と整理されやすいのは、次のようなケースです。
- 知人や親族から一度だけ引き取る
- 整理や片付けを手伝う中で対応する
- 反復性や営利性が見られない場合
こうした場合は、事業としての中古品売買とは評価されにくいことがあります。
ただし、どこまでが一時的な対応で、どこからが事業なのか、その線引きは単純ではありません。同じ人の行為であっても、継続性や目的が変われば、評価が変わることもあります。

まとめ ― 判断を整理する視点
出張買取や催事販売は、店舗を構えない分、古物商許可との関係が軽く見られがちな分野です。
しかし実務では、「店舗があるかどうか」ではなく、「どのような性質で取引を行っているか」という視点で整理されます。
一時的に見える行為であっても、買取や転売を前提とした取引であれば、注意が必要になることもあります。
自分の場合は、整理の延長なのか、それとも事業としての取引に近づいているのか。一度立ち止まって整理してみることが、安心につながります。


