はじめに
高齢者支援に関わる場面では、「家族はいるのですが、何となく不安で……」「頼れるはずなのに、頼みにくいんです」といった声を聞くことがあります。
家族がいるのに不安を感じるのは、どこかおかしいことなのでしょうか。
実は、そう感じてしまう背景には、家族関係そのものではなく、距離や役割、気持ちの持ち方といった要素が重なっていることが少なくありません。

「頼れる家族」とは、どういう状態か
「家族がいる」という事実と、「頼れる」という感覚は、必ずしも同じではありません。
近くに住んでいるかどうか、普段どの程度やり取りがあるか、生活のリズムが合っているかなど、さまざまな条件が重なって、初めて「安心して頼れる」と感じられることが多いからです。
また、家族関係は長い時間の積み重ねでできています。
遠慮があったり、役割分担が暗黙のうちに決まっていたりすると、「頼ろうと思えば頼れるはずなのに、気が引ける」という感覚が生まれることもあります。

「頼みにくさ」が生まれる理由
頼みにくさの理由は、一つではありません。
「迷惑をかけたくない」「自分でできるうちは自分でやりたい」といった気持ちがある一方で、実務的な理由が重なることもあります。
たとえば、家族が遠方に住んでいる場合や、仕事や育児で忙しい場合、ちょっとした手続や付き添いを頼むだけでも、心理的なハードルが高くなりがちです。
また、役所手続や契約の話になると、「どこまでお願いしていいのか分からない」と感じる方もいます。
こうした要素が重なると、「家族がいるのに不安」という気持ちが生まれてしまうのです。

実務の現場でよくある場面
実務の現場では、家族が善意で動いたものの、かえって混乱してしまったというケースも見られます。
情報が十分に共有されていなかったり、役割が曖昧なまま話が進んでしまったりすると、本人も家族も疲れてしまうことがあります。
これは、誰かが悪いという話ではありません。「家族だから大丈夫」と思って始めたことが、想定以上に負担になることは、決して珍しいことではないのです。

家族に頼りつつ、不安を小さくする考え方
家族に頼ること自体が悪いわけではありません。大切なのは、「何を、どこまで、誰が担うのか」を整理して考えることです。
すべてを家族だけで抱え込もうとせず、情報を共有し、役割を分けて考えることで、本人の不安も家族の負担も軽くなることがあります。
第三者に話をすることで、状況が整理され、家族関係がかえって円滑になることもあります。

まとめ
家族がいるのに不安を感じることは、決しておかしなことではありません。
家族関係の距離感や役割、気持ちの持ち方によって、「頼れる」と感じにくくなる場面は誰にでも起こり得ます。
大切なのは、不安を否定せず、その背景を整理して考えることです。家族との関係を見直しながら、自分にとって無理のない形を探していくことで、安心感は少しずつ整っていきます。
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