はじめに ― よくある疑問から整理します
フリマアプリやネットオークションが身近になり、個人でも気軽に物を売れる時代になりました。
その一方で、「メルカリで売っているだけなら、古物商許可は関係ないですよね?」という相談もよく聞かれます。
前回コラム(「古物商許可って何?どんな人が必要?」)では、古物商許可がどんな人に関係してくるのか、全体像を整理しました。
今回はその中でも、特に判断に迷いやすいネット販売に絞って、考え方を整理してみたいと思います。

ネット販売でも古物商許可が問題になる理由
古物商許可というと、店舗を構えて中古品を扱う業者を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし実務では、「店舗があるかどうか」「対面かネットか」といった点は、判断の決め手にはなりません。
ポイントになるのは、中古品を事業として売買しているかどうかです。ネット販売であっても、中古品を継続的に売買していれば、実務上は古物営業として整理されることがあります。
オンラインかオフラインかではなく、行っている行為の性質が見られている、という点が重要です。

「頻度」ではなく「性質」で見るという考え方
ネット販売の相談で多いのが、 「月に何件までなら大丈夫ですか?」 「フリマアプリでの取引件数が○件を超えたらアウトですか?」 といった質問です。 ただ、古物商許可の要否は、件数といった数字だけで決まるものではありません。
実務上は、次のような点が総合的に見られます。
- 仕入れて販売しているか
- 同じような商品を繰り返し販売しているか
- 利益を目的とした継続的な取引か
たとえば、自分で使うつもりで買った物や、たまたま手に入れた物を売る場合と、販売を前提に商品を集めて売る場合とでは、性質が異なります。
同じ「ネットで売る」という行為でも、その背景によって整理は変わってきます。

ネット販売でも「不要になりやすい」ケース
一方で、ネット販売だからといって、すべてが古物商許可の対象になるわけではありません。
実務上、比較的「不要」と整理されやすいのは、次のようなケースです。
- 自分の不用品を処分している
- 引っ越しや整理のために一時的に売却している
- 生活の延長として、使わなくなった物を売っている
こうした場合は、事業としての中古品売買とは評価されにくいことが多いです。
ただし、どこまでが不用品整理で、どこからが事業なのか、その線引きは単純ではありません。同じ人の取引であっても、状況が変われば評価が変わることもあります。

まとめ ― 判断を整理する視点
ネット販売は身近な分、古物商許可が関係するかどうかの判断に迷いやすい分野です。
重要なのは、「何回売ったか」ではなく、「どのような性質で売っているか」という視点で整理することです。
自分の場合は、不用品の処分なのか、それとも事業に近づいているのか。一度立ち止まって整理してみることが、安心につながります。


