高齢になると、突然の入院や施設への入居を経験することが少なくありません。いざというときに必要な書類が手元にそろっていないと、手続が滞り、ご本人やご家族が困ってしまうこともあります。
病院や施設ごとに違いはあるとしても、ここでは、共通して押さえておきたい「必要書類の大枠」を整理しました。
目次
入院・施設入居で共通して求められる書類
まずは、どちらの場合でも、ほぼ必ず必要となる基本的な書類があります。
- 本人確認書類:健康保険証、運転免許証、マイナンバーカードなど。身分と保険資格を確認するため、必須です。
- 緊急連絡先や身元引受人の情報:ご家族や信頼できる人の氏名・連絡先が必要になります。身元引受人がいない場合は、事前に専門家や支援サービスに相談しておくことが大切です。
- 印鑑や署名用資料:契約や同意に印が必要となるケースがあります。最近は署名で済むことも増えていますが、印鑑を準備しておくと安心です。

病院への入院で必要になる書類
入院の際は、医療に関する書類が中心です。
- 健康保険証・診察券:保険診療を受けるために必須です。
- 紹介状や検査結果:かかりつけ医から紹介された場合、これらがあると診療がスムーズになります。
- 限度額認定証や医療費助成の書類:高額療養費制度を利用する場合、入院前に準備しておくと支払いが軽減されます。
- 入院同意書・手術承諾書:治療に関する重要な同意が必要です。本人が署名できないときは、家族や代理人が署名することもあります。

高齢者施設への入居で必要になる書類
施設入居の場合は、生活や契約に関する書類が多く求められます。
- 入居申込書・契約書:施設との契約に必須です。重要事項説明書もあわせて確認します。
- 診断書や健康診断結果:健康状態を確認し、必要な介護サービスを判断するために提出します。
- 収入や資産に関する書類:年金証書や預金通帳の写しなど、費用負担の確認に使われることがあります。
- 身元引受人に関する書類:緊急時や退去時に対応できる身元引受人が求められる場合があります。

困りやすいポイントと備え方
実際に手続きを進める中で、よく問題となるのが次のような点です。
- 身元引受人がいない場合:身寄りがない方は、施設や病院で受け入れを断られることもあります。この場合、行政書士など専門家と契約を結び、身元引受人代わりとなる仕組みを利用することが可能です。
- 急な入院で書類をそろえられない場合:必要最低限の書類だけ持参し、足りない分は後から家族や代理人が届ける形でも受け付けてもらえるケースがあります。
- 認知症や身体の事情で手続が難しい場合:事前に任意代理契約や任意後見契約を結んでおけば、代理人が手続を担うことができ、安心です。
行政書士ができるサポート
入院や施設入居の場面では、書類の準備や契約に不安を感じる方が少なくありません。行政書士は、次のような形で、高齢者やご家族の安心を支えることができます。
- 必要書類の整理・確認のお手伝い
- 契約や申込手続の代理人としての支援
- 将来に備えた任意後見契約や死後事務委任契約の作成

まとめ
入院や施設入居に必要な書類は、病院や施設によって細かい違いがありますが、「本人確認書類・健康保険証・緊急連絡先(身元引受人情報)」はほぼ共通です。
これらを常に整理しておき、急な事態にも対応できるよう準備しておくと安心です。
もし身元引受人がいない、手続が難しいといった不安がある場合は、専門家に相談することも選択肢のひとつです。
※“身元引受人”については、病院や施設によっては“保証人”と表現されることもあります。
行政書士ストック法務事務所は、川崎くらし安心パートナーズの一員として、あなたの不安を、安心に変えるサポートに取り組んでいます。
