ものづくり補助金の17次締切分で、新しい枠である省力化(オーダーメイド)枠の公募が昨年末の12月27日から開始されたことについては、12月28日の記事で速報しました。
そして、1月10日、ものづくり補助金総合サイトが更新されて、省力化(オーダーメイド)枠の概要資料が公表されました。
※ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金17 次公募要領概要版↗(ものづくり補助金総合サイトより)
そこで、概要版も見ながら、省力化(オーダーメイド)枠について、改めてポイントを確認してみたいと思います。
公募申請期間
- 公募開始 :2023年12月27日(水)17:00~
- 電子申請受付:2024年 2月13日(火)17:00~
- 申請締切 :2024年 3月 1日(金)17:00まで【厳守】
※ 17次締切分補助金交付候補者の採択発表は、2024年5月中旬頃を予定
補助上限額・補助率
対象事業
人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等を支援
※デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)とは、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータ(SIer)との連携などを通じて、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)のことをいいます。デジタル技術等を活用せず、単に機械装置等を導入する事業については、本事業の対象とはなりません。
活用イメージ
今回の概要資料では、省力化(オーダーメイド)枠の活用イメージについて、詳しく例示されています。
【例1】
熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(SIer)と共同で開発したAIや組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現。組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。
【例2】製造業×多関節ロボット×人手不足・組み立て動作ロスの解消
- 従来、海外の生産拠点で職人が手作業で行っていた組立工程を国内に集約するにあたり、AIや3Dカメラ、センサー等を用いた多関節ロボットを導入。
- 組立に必要な全ての部品を供給するシステムを構築したことで、切替ロス無しで、流れてきた部品に依った、製品の1個流し生産を実現することが可能になった。
【例3】サービス業(小売・卸売)×多関節ロボット×人手不足
- 飲料陳列や在庫品出し作業において、AIシステム化された陳列棚の在庫管理システムと、連動して動く自動搬送ロボットを導入。
- 3Dカメラ技術を使用してAIが自動で商品棚の在庫量を可視化することで、従業員は遠隔で不足している商品の種類と数を把握し、従業員からの指示に従って、ロボットが売り場に自動で商品を搬送し、商品棚に陳列を行う。
【例4】食品製造業×多関節ロボット×人手不足・手作業の負担軽減
- ハンドラベラーを使い、手作業で冷凍商品のラベル貼付作業を行っていたが、納品時間の関係で深夜に渡り作業が発生したり、多人数での分散作業であることから、商品の管理ミスや不良品がでることが課題となっていた。
- ロボット導入により箱単位でのラベルの自動貼付や箱の供給・排出が全自動で行えるようになり、作業工数の削減と作業のライン化を実現。
【例5】物流サービス業×自動荷役・積替ロボット×高齢化・人手不足対応
- 取扱商品が多種多様で在庫や入出荷タイミングが不規則な物流の集荷業務において、商品の保管規模に応じ、弾力的に荷役作業をロボット化できる単機能小型ロボットユニットを導入。
- 当日の出荷指示データを基に決められた全カートの積載パターンに沿って、AGVがパレット/カートを運搬、ロボットが商品をつかみ、トラックバースへ運搬するまでを全自動化した。